OIL PAINTING 油絵を始められる方へ

油絵科の指導について

絵がすき。というのも一つの感性です。この気持ちを大切に美大受験を本格的に始める手助けを、合格力の高い立美の油絵科講師が情熱を持って指導にあたります。
今からでも、充分立美の合格へのシステムに乗っていけます。これから美術を始められる方にあわせた指導方針を組み立てていくことができます。一枚でも現在の力を見極めるため、描いたことのある作品をお持ちください。良い感覚やこれから鍛えていく部分などを的確に把握します。そしてその人の感覚(持ち味)を最大限に引き出せるより良い方向を考えていきますので、安心して始められます。
油絵科は他の科に比べ、表現を重視します。対象の再現だけではなく、どのように見たか、感じたかということを絵の形に置き換える事が大切です。そのため、その人なりの見方や感じ方があると言えるでしょう。同じように描画表現の習得方法も十人十色であるはずです。あなたにふさわしい基礎習得のかたち、表現方向が立美で見つかります。

油絵科で行う表現

デッサン

  • 木炭デッサン(素描・鉛筆との併用可)
  • 鉛筆デッサン※関東主要私立大学(五美大)や東京藝大は主に木炭デッサンによる入試対策ですが、志望校によっては鉛筆デッサンでの試験実施となる為、ご希望に応じて鉛筆デッサンの指導も行います。

油彩

  • キャンバスに油彩、アクリル絵具を併用する場合があります。

指導カリキュラム

  • 静物 対象をよく観察し、光源に基づいた陰影、質感、量感、位置関係を把握し表現する。尚、静物課題を通して基礎から応用を学びます。多くの大学で出題される可能性が高い課題なので油絵科では静物画の頻度は高いです。
  • 人物 対象となるモデルのプロポーションをよく観察し、骨格や筋肉などの構造を理解しながら自然な人体を表現していくことを目指します。
  • 構成(手渡しモチーフ)、想定(イメージ) モチーフを利用し自由な発想で表現、またはテーマとなる言葉や図版、文章資料による出題を行い、イメージを伴った多岐にわたる表現を学びます。
  • ゼミ課題 「明暗ゼミ」「パースゼミ」「色彩ゼミ」「ドローイングゼミ」などのゼミを通して、基礎から応用まで集中的に強化します。また、クロッキーを定期的に行い、形態を線で素速く描き起こすトレーニングも行います。

その他、個別課題などでは細密デッサン・油彩や素材支持体研究も行います。

油絵科で使う道具

デッサン用具(5000円程度)

  • 鉛筆(2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B)
  • カッターナイフ
  • 練り消しゴム
  • プラスチック消しゴム
  • 木炭(伊研NO.360)
  • 芯抜き
  • デスケール
  • 測り棒
  • 擦筆
  • クリップ
  • 食パン
  • カルトン

※ 用紙は立美で支給します。

油彩用具(25000円~30000円程度)

  • キャンバス布
  • 木枠
  • 張り器
  • タックス(釘)またはガンタッカー
  • 油絵具
  • ペインティングナイフ
  • 溶き油
  • 紙パレット
  • 絵皿
  • ぼろ布

よくあるご質問

溶き油はどれを使えば良いのか、また使い方がよくわからないのですが?
溶き油の種類は豊富で、簡単に説明するのは難しいのですが、大きく分けて乾性油、揮発性油、そして樹脂の3つに分類されます。つまり、リンシードとテレピン、アルキドやダンマルですね。この名前なら知っていると思います。油絵具の状態は、生乾きが最も豊かに表現できます。最初の内は、ペインティングオイルで良いのです。表現の段階に従って、色々使ってみると分かってくるでしょう。一日描きの受験でも、乾燥具合を意識して、乾燥の速い樹脂を多くすることで、重ね塗りが可能です。
高3です。絵は初心者なのですが、絵画系の学部を目指したいと思います。現役で合格は難しいのでしょうか?
「簡単」と言うことはできませんが現役での合格はどなたでも可能性は充分あります。現に2020年度はタチビ入学時初学者であった現役生の80%が希望の大学へ進学しました。夜間部の場合、高校の授業が終わった夕方からの限られた時間の中でしっかりと集中して日々の制作に打ち込むことと、課題ごとのフィードバックを怠らないことが合格への近道だと考えます。さらに、現役生へは基礎に重きを置いた指導を行うので、作品制作の上で必要な目的意識の基盤を養っていきます。 また、関東の五美大と言われる主要私立大学は敷居が高いとされていますが、実技は勿論のこと学科(英語・国語)の勉強もきちんと行っていれば共通テスト方式も併願可能なのでその分可能性は広がります。
筆はどれを使えば良いのか、選び方がよくわからないのですが?
A.筆選びは初めは迷いますが、油絵具がとても物質的な性質なので、キャンバスに“置く”または“乗せる”という感覚を体感しやすいという意味で豚毛の筆を推奨します。豚毛は硬く、コシがあり、絵具をたっぷりつけてキャンバスに乗せることが可能なので筆跡のタッチや腕のストロークを存分に活かせます。オイルの含みも良いのが豚毛の特徴で弾力性もある事から塗り込むような表現にも使うことができます。特に初学者の学生には豚毛の平筆(フラット・フィルバート※フラット型の角が丸くなったもの)を進めています。サイズは大中小(16号〜0号)数種類と広範囲に塗ることができる刷毛をがあると良いです。 慣れてきたら軟毛のセーブル、リス、馬などの毛の筆を好みで買い揃えると良いでしょう。軟毛の筆は穂先がしなやかなので細かな描画や筆跡を残さないで塗るような目的に合っています。価格は様々なので、比較的安価なナイロンなどの合成繊維毛で作られた筆をきっかけとして買ってみるように進めることも多いです。
Q. 油画科に進学すると、将来どんな仕事につけるのですか?
A.まず、どの学部学科でも同じことが言えますが、油絵科に進学したから、という事で職業が選択できるということはありません。 中高の美術教員になりたいという希望があれば教職に関する科目を履修しますし、在学中に卒業後の進路を考える場合は各大学の進路指導に基づいて探すことになるでしょう。どのような職業が自分に合っているのか、という探し方になるはずです。 なお、具体的な進路の例として多く挙がるのはイメージ通りかもしれませんが、作家(画家・漫画家・イラストレーター)です。昨今ではゲームクリエイター、アニメーション関連、舞台美術、アパレル、各種デザイナーなどの就職実績も多くなっていると思われます。