0.5浪生と化す 私は高二の冬に初めて講習に参加した。それまでは、学校の勉強をがむしゃらにやっていた。だが、「こんなつまらんもんをもう四、五年もできるかーっ!」とハチ切れた。だから立美に入った。はじめは通信生として入学したが、立美に興味津々の私は講習会に参加してみることにした。それで絶対合わないと思ったらおとなしく勉強して薬学部へ進学しようと腹黒い考えをしのばせていた。しかし、そんな考えはフッ飛んだ。立美にがっつりハマってしまった。それからというもの、学校の休みを利用して山形からかなり頻繁に(講習会は必ず)来た。受験のためというより、ただ立美に来たいというだけだったのかもしれない。立美に来れない時は、夜な夜なユニブを開き、立美ライフに想いを寄せていたほどだったから。初入試 試験は一日目に静物デッサンと小論文、二日目に面接があった。筑波に着いて、街の予想以上の閑散さは、私のテンションを急降下させた。しかし、そのせいか妙に落ち着いて試験に臨むことができた。試験室に案内されて入ってみると、黒いパイプイスの座る面に雑巾のようなものとワイングラスがのっていた。もっととてつもないモチーフがでるのかとビビっていたが、案外普通っぽいので逆に驚いた。イスもグラスも立美で何度も描いたし、クジで引き当てた席も申し分ない。あとは先生から言われたことをひとつひとつ実行すれば、なんとかなると思った。周りの人に申し訳ないほどリラックスしていた。後悔は残したくなかった。小論文は三題を四時間で書かなければならなかった。時間不足にならないように細かく時間配分を決めた。結論とどのような例をあげて考察するかを決めてから書き始めた。多少字数不足だったが、なんとか全部書きあげることができた。立美での対策のおかげだ。何度もダメ出しをしてくれた先生に心底感謝した。 目標 周りの昼間部生が怒られているのが羨ましかった。はやく、怒られるくらいになりたいと思った。だから、最初の目標は怒られるようになることに決定した。 研鑽を積む デッサンや立体でつまって、苦しいことは総合的に楽しかった。立体をつくっても、わざとやっているようにしょぼいものしかできない自分がなんとなくおもしろかった。自分の精神面や技術においての未熟さを指摘され、悔しくて、ヘコむこともあった。だけど、そこから努力したり、深く考えたりすることに本当の喜びや楽しさを見つけた。立美に入ってよかった。できれば、もうちょっと残っていたかったりもするけど、名残惜しいくらいが丁度いいのかもしれない。